コロナ渦で浮き彫りになった、マイホームか借家か論争に決着
ローンが払えず、売却を検討するも、売却までには時間が掛かり、価値も1/4ほどに。
借家が良いか、持ち家が良いかと論争がよく持ち上がるのは、それだけマイホームが欲しい人が多いからだと思うが、こうした事態を見ると、やはりリスクの高さが浮き彫りになった結果だと感じる。
家賃分で払っていける、などと簡単に考えてはいけないという事が、上記の記事を見ると身にしみて解る。
持ち家を購入するにあたり、約2000万円を29年ローンで組んだ男性だが、このコロナ渦で収入が激減し、支払いに問題が起きたとのこと。
売却を視野に入れるも、中古で購入し15年ほど住んだ家を売却する場合、約500万円程度が見込まれるが、売却時は銀行へローン残高900万を同時に返済する必要がある、差額400万円を用意出来無ければ売却することすらままならない。
金額を見るだけでも既にお分かりだろうが、2000万円を消費し15年後に売却して500万円ということだ。
商売としての観点だけで見ると、1500万円の大赤字だ。
自分が住む家と考えてみても、1500円÷15年=100万円/年と家賃としても割高感が否めない。
一ヶ月83000円、一軒家を借りると考えたらさほど高くも無いかも知れないが、修繕費や固定資産税を考えると、やはり割高と言わざるを得ない。
そして金額は置いておいたとしても、ローンが残っている状態で、売却がままならないという事態が起きうるという事は、人生において大きなリスクでは無いだろうか?
皆が資産だと思っている持ち家が、売ろうにも売れないというパラドックスになっている。
また、焦って売ろうとすれば、足元を見られ不動産屋などに安く買い叩かれる恐れもある。
”持ち家資産理論”は、言葉通り持ち家を資産として見る考え方だが、投資として考えた場合、実に不良資産であることが解る。
下がり続ける価値(土地は上がる可能性もあるが)、売却の難しさ、修繕などのメンテナンス費用。
これを仮に人に貸したとしても、利益が出るかどうかも怪しい所だ。
月10万円で30年借りてくれれば3600万の売上になり、さらに売価を足せば黒字にはなる計算だが、一軒家を10万円で借りる人がどれだけいるのか、そして家が新しいうちはそれでも借りてはいるかも知れないが、10年・20年後の古い家を同じ値段で借り手が付くのか、等の問題がある。
簡潔に言ってしまえば「家賃分で払えるから」などと簡単に考えずに、2000~3000万円の単純な借金としての重みを考えよう。
ということです。