金は貯めるな、使え。これの意味を誤解している人が多すぎる。
お金は貯めれば貯めるほど貧乏になる。
貯蓄よりも投資を。
お金は全部使え。
皆さんも、こういった謳い文句を目にしたこと・耳にしたことがある人は多いと思う。
しかしながら、これらの話の意味を本当に理解している人は少なく「貯めてもしょうがないから使っちゃえ」とただ単純に浪費してしまえ、という意味に勘違いしている人がいます。
なので今回は”お金を貯める”事の意味、使う事の意味を解説したいと思う。
銀行預金とは、銀行へ貸し付けているだけ
お金を貯めると言えば多くの人が連想するのは銀行預金だが、銀行預金とはお金を貯めているのではなく、銀行に貸しているのだ。
つまり貯金すればするほど、銀行への債権が増えるという事と同じ意味になる。
しかも利回りは酷く、一部の定期預金プランを除けば普通預金の年利は0.002%と異常なまでに低く、さらにATMや時間外利用、両替などを利用すると金利を簡単に超える手数料まで取られる。
そのうえ、最近では口座維持費などというシステムまで考えている銀行まである。
このようにさも貯金は偉いことだと言わんばかりに、偉そうな態度で人から金を借り、人に金を貸すときは審査審査と貸し渋る。
そもそもこの「貯金は大事です」っていう考え方は、教師や両親・世間の大人達がまるで常識の様に言っているが、これは正しくない。
目的があってお金を貯めるのは別に良い。
しかし、ただ老後やなんとなく貯金をするというのは、自分自身の選択肢を自ら狭めてしまっているのかも知れない。
銀行という金融機関にお金を預ける事に意味が無いわけではないが、銀行から融資の恩恵を受けるのは一部の大企業であり、銀行にお金を預けた所で庶民の暮らしは一向に楽にはならないだろう。
貯金で安心は買えない
少し前に物議をかもした”老後2000万円必要”問題。
これを受けて、最近では「老後のために貯金してます」などという夢も希望も無い事を口にする20代の若者を見かける事がある。
20歳の若者が「老後の為に貯金しています」と言われて、あなたは「貯金して偉いね」と本当に思いますか?
筆者は、一番遊びたいざかりの若者が老後を気にして貯金するなど、新しい経験や体験をするチャンスを潰してしまうだけの悲惨な状況だとしか思えません。
根本的な疑問もあります。
本当に2000万円あれば老後は安心なのか?
これは実際のデータや必要経費の計算など、細かい数字はもはや関係ありません。
筆者は年配の方からお話を伺える機会がありますが、家もあり貯金も1000万程度あり合計で2000万以上の資産をもっている人でも「年をとってこれから何があるか分からないから」と不安な声ばかりを耳にします。
ある人は十分な貯金があるにも関わらず、日々目減りしていく銀行口座の数字に不安を抱き、うつ病を診断されてしまった人もいます。
こういった話を聞くと、貯金で安心は得られないという事が分かるかと思います。
どうしたら安心できるのか、それは人によって違うと思いますが、敢えて言うなら安心を得ようとしなければ良いのです。
世間の事など気にせずにコンパクトに生きるのもひとつの手ですし、何かに夢中になって没頭すればお金の多い少ないなんて気にならなくなるでしょう。
つまり、自分自身がまずお金という存在もしない物から開放される事が大事だと言うことです。
出会い・体験・経験を買え
「貯蓄は美徳」こんなのは嘘っぱちです。
金は貯めるな使えを誤解するなと銘打ちましたが、ここまで読んでくれた方は何に使うべきか見えてきたでしょうか?
預金がいくらあった所で、結局使わなければただの”数字”でしかありません。
貯金はあるが会社勤めしかしたことが無い人
貯金は無いが世界中を旅した人
この二人だったら、どちらの人から話を聞いてみたいですか?
一緒に仕事をしてみたいのは?
魅力が高いのは?
筆者は後者の人の話を聞いてみたいと思います。
世界中を旅をした人は、様々な経験や体験、人との出会いを重ねた事でしょうし、絶対に面白い話が聞けるでしょう。
恐らくそれは仕事でも、人とは違う能力を発揮してくれると期待できます。
つまり、色々な経験をし、様々人と出会いを重ねることが人間力を磨く手っ取り早い方法なのです。