値下げをしてはイケナイ理由
この記事を読んでいると言うことは、何かしらの計画で値下げを検討しているのかと思いますが、基本的に値下げは悪手です。
知り合いの店舗の場合
近所に知り合いが経営する居酒屋がありました。
そこは料理も美味しく店主も良い人柄で、何より値段がとても安く、いつも賑わっている人気のお店でした。
筆者の経営する店舗よりも恐らく1.5倍程の客入りと売上があったと思われます。
しかし惜しまれつつ閉店となってしまいました。
理由は聞くまでも無かったのですが、どうしてやめたのか儀礼的に聞いてみましたが店主は言葉を濁すばかり。
後で奥さんから話を聞く機会があったのですが、結局の所「経済的問題」が理由でした。
筆者の店舗よりも1.5倍の売上と集客があったのにも関わらずです。
その原因は言わなくてもお分かりでしょうが「価格設定が低すぎた」事です。
価格を下げると客質も下がる
値段設定を低くすると集客面では有利に働くことは周知の事実であると同時に、顧客の質も低下する傾向があります。
例えば、安い大衆居酒屋には安月給のサラリーマンや稼ぎの少ない若者が集まりますが、高級なクラブや大人の雰囲気漂うバーには社長や事業主などの裕福な人が集まります。
語弊を恐れずに言うと、裕福な人達は下流の人たちとの交流を嫌う傾向があり「安い店には安い人が集まり、高い店には高い人が集まる」という傾向がより一層強くなります。
例外として、人を観察・交流して見識を広げたり、昔を懐かしんで安い店を楽しむ富裕層もいますが、それは極稀なケースでしょう。
あなたは客単価1500円の顧客10人を相手にするのと、客単価15000円の顧客1人を相手にするのではどちらが良いでしょう?
一概にどちらが良いとは断言できませんが、大企業に薄利多売で勝つ見込みは薄いので、中小や個人事業であれば後者の顧客を獲得することを目指す事が重要だと思います。
値下げは只の思考停止
客が少ない・売上が少ない → 値下げしよう
これは只の思考停止です。
起爆剤としての値下げや格安販売をして、一時的な集客をすることは伝統的な集客方法で、これを否定することはしませんしむしろ推奨します。
しかし低価格以外に、商品やお店の魅力が無ければ値段を戻した・上げた時に顧客は離れていってしまうことでしょう。
つまりまず考えるべき事は値下げではなく、
いかに商品を高く売るかと考える事です。
商売の基本は、安く仕入れ・高く売る、これに付きます。
仕入れの安い知的財産を売りにしている人が裕福なのは、この原則に大きく当てはまっているからでもありますが、話が脱線するのでそれは別の記事にしようと思います。
話を戻すと、商品が売れない状態で「値下げ集客」をしたところで、顧客にとっては魅力の無い売れない商品である事実には変わりなく、そこにある魅力は「ただ安いという事」だけとなってしまいます。
ですが、ただ値段を上げれば良いといった単純な話では無いことはお分かりですよね。
高く売る為の「何か」を仕掛ける必要があります。
例えば
国産黒毛和牛コロッケ、インスタ映え、目新しい商品開発、店主がとにかく面白い。
などなど何でも良いのですが、商品に他には無い付加価値を付ける事によって値段を上げ、商品価値を上げることで集客にも繋げていくのです。
例は出しましたが具体的にどうすれば良いか、それを考えるのが仕事です。
思考停止して値下げをするのは、誰にでも出来る事と考えます。
商品価値を上げれば幸福度も上がる
先程商品価値を上げて集客すると言いましたが、値段と価値が上がった商品を購入した顧客は満足度も同時に上がっているはずです、もちろん満足度を上げられる様な商品開発が出来ていればの話ですが。
満足できる買い物や消費を行った顧客は、また来たいと思ってくれる事でしょう。
なぜならその幸福感は、安いからではなく満足度の高いサービスを提供されたからに他ならず、価値と共に上がった他の店では味わえない物です。
こうすることでリピート率も上がり、オーナーサイドとしても売上・利益があがり、やり甲斐も生まれて来るのではないでしょうか。
最後に注意として、闇雲に値下げや値上げはしないようにしましょう。
なぜこの値段で売りたいのか、値段を上下させる理由・根拠、それに対する結果をよく検討してください。
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正しく問題を解決できるかは、その設問が正しいかで95%が決まります。